小さな海始めました

これから海水魚飼育を始められる方のための、ビギナー用飼育ガイドです

魚の飼育を始めて一番難しいのは飼育初期です。
一番不慣れな時期なのに、一番難しい判断を余儀なくされるのが飼育初期なのです。
特に魚の発するSOSや水槽の水の色など、少し経験を積めば難しくないものが、経験不足ゆえ判断できないものが多いのです。

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例えば魚が妙に貴方の前に姿を現し、貴方に判るように泳いでいたとします。
さて、貴方はどう考えるでしょうか?
最初私は「こいつ随分人間に慣れているな」と判断していました。
でも答えは✖ですw

海からやってきたまたはお店からやってきていきなり人間に懐くはありません。
水槽の中で異常事態が発生しているのです。
魚は通常人間には興味を示さなくても、いざという時には人間に助けを求めます。
ですから魚が妙に自分に馴れ馴れしいなと思った時には要注意です。
必ず問題が発生しています。

また何となく水槽の水が白っぽく見えることがあります。
アンモニアや亜硝酸の発生です。

初期の異常で一番多い問題は、アンモニアや亜硝酸の発生です。
次に多いのが酸素不足。
逆に言えばこの3つをチェックすれば殆どの場合問題を見つけることが出来ます。

1.もしアンモニアが発生したら?

対処としてはアンモニア試薬で数値をしっかり把握します。
一旦ろ材をフィルターから取り出し、新しい人工海水でよく洗います。(水道水で洗ってはいけません)
洗ったろ材はフィルターに戻し、新しい人工海水を水槽に入れてエアレーションを激しくします。(ブクを追加しても良い)
激しいエアレーション作業は1時間程度行います。
その際魚は一時的に、別の容器で新しく作った人工海水に入れておきます。
エアレーション作業が完了したら魚を水槽に戻します。
※3~4時間程度はフィルターが無くてもエアレーションだけで生きています。(ただし水温には注意)
その後2時間ほど経過したら再びアンモニア試薬で計測します。
ここで、1.5㎎/㍑を超えているようでしたら、上記の作業を繰り返します。
その後は必要に応じて数値を注意深く見るようにします。


2.もし亜硝酸が発生したら?

アンモニアが発生した後、必ず亜硝酸が発生します。
これは飼育水が安全になるための「硝化」と言われる工程で避けることができません。
逆に言えば亜硝酸が発生するようになると、アンモニアは発生しなくなります。

ただ問題はアンモニアよりもより毒性の強いのがこの亜硝酸です。
亜硝酸が一旦発生すると魚の血液中のヘモグロビンが減少し、血中の鉄分に窒素酸化物が張り付いて酸素を各細胞へ運べなくなります。
その結果酸欠となって魚が死んでしまいます。

対処としては亜硝酸試薬で数値をしっかり把握します。
0.8mg/㍑以上が致死量です。
亜硝酸値が0.8mg/㍑に達したところで、別の容器に新しい人工海水とエアレーションを用意して魚を避難させます。

今回はろ材は洗いませんが水槽の水は別の容器に全て移して保管します。
保管している間、こちらはエアレーションの必要はありません。
水温だけ保ちながら放置します。

新しい人工海水を入れて魚を戻し6時間程度経ったら再び亜硝酸値を測定します。
次に保管してある水の亜硝酸値も計ります。
保管してある水の亜硝酸値が0.8mg/㍑以下に下がっているようでしたらその水を使い、下がっていないようであれば新しい人工海水を用意します。
方法は前回と同じ全換水です。

この作業を亜硝酸がなくなるまで続けます。
この作業が海水魚飼育の一番難しいところであり、一番苦労するところでもあります。
そして一番手を抜けない作業でもあるのです。
魚たちの命が掛かっていますので。。。

無事に育ちますように。


採取魚を飼育するにあたり、魚とは別の容器に海中の砂と海水を持ち帰ってきます。
その際に必要になるのが保温やエアレーションです。


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※折角採取した砂や海水もエアレーションをしないで持ち帰ると、バクテリアが死んでしまうことがあります。

3~4時間程度の移動時間であれば、それこそ保温のみでエアレーションは必要ありませんが、それ以上の移動時間が必要になる場合には、砂や海水にも必ずエアレーションを行いながら持ち帰ります。

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持ち帰った砂と海水を水槽に入れて、なおかつ手作りしたフィルターにもその砂を詰めます。
フィルターのポンプを稼働させます。

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採取した魚も同様に水槽に入れます。
尚、この際には水合わせの必要はありません。

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これで基本的には水槽のセットが完了です。

水槽をセットし魚を水槽に入れた時から、水の管理の始まりです。
特に初期にはいろいろな問題が発生します。
その問題とは、先ず海水の濃さ。

海水は常に蒸発を続けていますので、そのままでは塩分が変わってしまいます。
そこで水足しをして塩分を一定にする必要があります。
ここで必要になるのがボーメ計です。

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※水槽に浮かべて比重を読み取ります。

比重を読み取り、1.020~1.025の範囲にあれば問題ありません。
それ以上に濃くなってしまっている場合には、水足しを行います。
この場合の水は水道水で構いません。
水道水にカルキ抜き剤を入れて足し水を作ってください。


--------------------------- ここまででの総括 --------------------------

水槽を立ち上げる事とは、如何に全ての環境を維持するかが重要になってきます。
水槽で魚を飼育する為には、器具や魚だけでは飼育は継続できません。
つまり魚だけではなく、魚と同様に砂や海水の中で生きているバクテリアをどう育てるかと言うことです。

その為にも、如何に海水や砂への負荷を与えずに自宅まで持ち帰って来るかがポイントであり、その要素が水温と溶存酸素と言われる海水中の酸素濃度です。
この2つに注意して持ち帰ることで、その後の飼育の難易度を大幅に下げることが出来ます。
また、最初に持ち帰って来る魚は小さな魚1匹限定です。
(水槽の大きさにもよりますが、今回使用した40cm程度の物であれば、魚1匹にヤドカリとエビを1~2匹程度まで)

どんなに水槽が寂しくとも、追加するのは持ち帰った後、最低でも1か月程度待たなくてはなりません。



お金が潤沢にあり面倒臭いことはすっ飛ばし、お金で解決できる方はお金で解決するとして、あまりお金はかけられないけど海水魚を楽しみたい方のための当ガイドです。
また基本採取魚を飼育することを前提としていますので、ご了承ください。


◇◇◇ 海水魚を迎える前に必ずしなくてはならない事とは? ◇◇◇

海水魚に限らず淡水魚であっても最初に準備しなければならないものは水槽です。
でも水槽だけでは魚の飼育はできません。
そこで何を準備したらいいのか、記していきましょう。

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当然ですが始めはこんな大きな水槽ではなく小さな水槽から始めないと様々な問題に対応できません。
そこでこの位の水槽から始めてはどうでしょうか?

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幅が40cmほどの小さな水槽です。
それでもこの水槽に可愛い魚が入る前にやらなくてはならない事があります。
水槽の立ち上げです。

小さな水槽で生体を飼育する上では必ずフィルターが必要になります。
でも既存のフィルターを使っていると海水水槽ではおおよそ1ヶ月もの間、亜硝酸との戦いをしなくてはなりません。

その間に魚は弱ったり死んでしまったりするケースが殆どです。
特に初心者の場合には、死んでしまうケースが多かったりします。
そこですぐに立ち上げられる裏技とフィルター製作をまず行います。

***** フィルターを自作する  ******

採取魚を飼育するためにフィルターの準備をしておきます。
今回使用したのは100均で売っているプラスティックの容器を二段に重ねて製作してみました。

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開口部分の大きさは同じで背の高さの違う容器を一つずつ用意しました。
このうち高さが低い方の容器の底の部分にホロソーとドリルで穴を開けていきます。

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左側のドリルで開けた穴は排水菅・エアーホース・モーターの配線を通す穴で、配線を通す穴はプラグを通す都合上大きな穴への切り込みが入っています。

さらに今回は現物処分で安売りをしていたRIO600という水中モーター(パワーヘッド)を購入、フィルターにセットしていきます。(売価2077円税別)
その他に購入したものは塩ビパイプ(13T)を1m1本と塩ビのエルボー1個両方でも僅かに200円ほど。

組上げた姿がこちら

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100均の小さな容器にモーターそして塩ビパイプとの間にエアレーション用のパイプ(付属)を組み込みます。

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※エアーパイプは潰れないように注意。

さらにこれまた100均の園芸コーナーで売っているプラスティックの網。
この網を容器の底の部分に合せてカットします。

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この網は砂を入れた際に、下に落ちないようにすることと、通水性を考えてこのような形にしました。

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こんな感じです。
この部分には、採取に行った際の砂や石が入り、生物濾過のフィルターになります。

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完成して実働している様子がこちらです。
容器に採取してきた砂を詰めて使用します。
そしてここまでで水槽の準備は一旦終わりです。
なぜフィルターを自作するのかについては、以後の記事で綴ります。


◇◇◇ 飼育に必要なグッズ ◇◇◇


続いて海水水槽を立ち上げたり維持したりするグッズを揃えます。

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左側がPHを計る試薬で右側が亜硝酸値を計る試薬です。

現在は左側のPH測定の試薬を使うことは無くなりましたが、信頼性は抜群です。
デジタルモニターを使っている現在でも、不安になればやっぱり試薬で確かめることがあります。

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現在はPHと水温が一緒に計れる計測器を使用しているが・・・基本的にはデジタル機は手放しで信用できない。

そして水温計。
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現在は非接点の物を使っていますが、精度的には100均の水温計の方が正確だと思います。


そして塩濃度を計測するボーメ計。
人工海水を作る上で必須のアイテムです。

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東急ハンズ・スーパービバホームなどの雑貨店で手に入り、しかも数百円で買えます。
また、このガラス管のボーメ計は、アクア用として販売されているものよりも、はるかに精度が高いことも特徴です。
我が家では現在もこのボーメ計を使っています。

その他には人工海水の素、そして重曹です。
重曹はいろいろな種類が販売されていますが、100均で販売されている清掃用でも問題ありません。
逆に「天然重曹」を謳っているようなものこそ怪しいと考えてください。
重曹は重曹であり天然とか人工とかありません。

ここまでで水槽も含めて多分10000円もあれば充分に準備できると思います。
採取魚ではなく熱帯魚を飼育するとなると上記以外にヒーターの必要性も出てきますので注意が必要です。
照明設備なども同様で好き好きですが、我が家では魚の健康を見る上でトロピカル色豊かなライトは好みません。
この辺りはお好みでどうぞ。




使用した工具:電工ドリル・パイプカッター・ホロソー・13πドリル・6πドリル・8πドリル・20πホロソー







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