こちらはネイチャーアクアリストの別館です。
一見ハードルが高そうに見える海水魚飼育。
確かにメダカの飼育程簡単ではないかも知れませんが、さりとてその他の淡水魚飼育と比べても大きく変わりません。
ちょっとしたコツと知識があればどなたでも飼育は可能ですし、何より海水魚には人に馴れやすい魚種が沢山居ることも特徴です。
そこではじめて海水魚飼育をする方への応援メッセージとしての別館を立ち上げました。


◇◇◇ ここで必要になる専門用語について ◇◇◇

・水槽について:水槽と言うと透明なプラスティックやガラスでできている物を想像するかもしれませんが、透明ではないものも含めて魚を飼育する全ての容器を水槽と言います。
また決まった定義はありませんが、幅60cm以下の水槽を小型水槽、幅60~90cmぐらいの水槽を標準的な水槽と言うことが多いです。
一般的には幅120cm辺りから大型水槽と呼ばれています。

・水槽を立ち上げる:水槽を立ち上げるとは、魚や生体が水槽内で生存可能な状態にすることを言います。
通常海水を入れて生体を入れても、水槽は立ち上がったとは言いません。
水槽が正常に立ち上がるまでには、生物濾過による硝化活動を完成させる必要があり、生物濾過による硝化活動が完成されるまでの間は魚が亜硝酸の影響で死に至るケースが多いのです。

・環境水について:わりと飼育の水とか水槽の水とか言われたりしますが、水槽内の水の事を総称して「環境水」と言います。
尚当ブログでも、「環境水」と統一して話を進めますので、環境水=魚を飼育する水の事だなと理解してください。

・ろ過装置について:ろ過装置とは人工的に魚を飼育する際の水の浄水器だと考えてください。
ちなみにろ過装置もフィルターも同義語であり、同じものを指しています。

・エアレーションについて:水槽内にエアーを供給することをエアレーションと言います。通常はエアーポンプからエアチューブ(管)そしてエアストーンで構成されています。
ただし、エアレーションを激しくしても溶存酸素はあまり増えません。
なるべく小さな泡にすることが溶存酸素を増やすコツです。

・水中モーター:パワーヘッドとも呼ばれます。環境水を汲むモーターを言います。モーターの揚力量や1分当たりの排水量でその能力の大きさを表します。
稀に海水には使用できない物や、水上面でしか使用できないものがありますので注意が必要です。

・底砂とは:水槽の床に敷く石やサンゴ砂を指します。
海水魚飼育ではPH維持の為に敷いていることが多く、底砂によって水質維持が難しくなることもありますので注意が必要です。

・バクテリアについて:水槽内の生体維持のために欠かせないのがバクテリアで、硝化細菌とも言います。
バクテリアが環境水の中にいることで、硝化活動が行われて、魚や生体が吐き出すアンモニアや二酸化炭素そして糞を比較的安全な硝酸塩に代える働きをしています。

・上部濾過:水槽の上に配したフィルターの濾過装置を言います。

・底面濾過:水槽の底砂の下に配したフィルターを底面濾過または底面式濾過と言います。

・外部濾過:淡水の飼育などにはよく使われる水槽外に配したフィルター形式です。ただし海水魚飼育には嫌気性と成り易いためあまり使われてはいません。

・ろ材:フィルター内でバクテリアの住処となるような石やサンゴ砂・人工のセラミックなどを指します。

・人工海水:物理的に配合された海水に近いものを人工海水と呼びます。
ただし、メーカーによってその配合は微妙に違っており、飼育対象によっても変わってきます。
海の海水は天然海水と言います。

・ボーメ計:海水などの比重を計る計器です。ガラス管で出来た安価なものから工学的に屈折率を計測するものまであります。当ブログのお勧めは一番シンプルなガラス館で出来たボーメ計です。

・PHメーター:PHを測定する計測器です。試薬で計るものや検査紙で計るものもあります。デジタル式のPHメーターは意外に高価ですので最初は試薬タイプのものがお勧めです。(海水の場合には必ず海水専用の物を使います)

・NO2検査試薬:海水水槽立ち上げ時や水槽内に異変が起きた場合に絶対に必要になる検査試薬です。

・ライブロック:海にある岩をライブロックと呼んでいます。ライブロックはバクテリアが既に住み着いていて、安定的な硝化作用が期待でき、飼育を手助けしてくれるものです。

・ライブサンド:ライブロック同様海の中の天然の砂です。『小さな海始めました』ではこのライブサンドからスタートします。

・重曹:海水魚飼育には絶対的に必要なものがこの重曹です。PH維持の最終兵器です。

・水合わせ:魚は住んでいる環境と違う水質の環境水に移る場合には、魚自身の鰓に住むバクテリアを交換する必要があり、その為に水合わせと言う作業が必要になります。方法は非常に簡単で、魚がそれまで住んでいる水に激しくエアレーション10分から15分行い、その後新しい環境水を入れます。
配分としては古い環境水と新しい環境水が1:1目安が望ましいのですが、厳密に計る必要はありません。
尚当ブログでは『点滴法』は使いません。


《水質について》

「水質が悪化して・・・」など「水質」と言う表現は非常に幅が広すぎて、客観性を損なうため当ブログではあまり使いません。
環境水の中に発生している個々の問題1つ1つを取り上げるようにしています。

① NH3・4:アンモニアやアンモニアイオンを指した言葉で、水槽の立ち上げ初期に僅かの間だけ計測されます。
但し、生物濾過による硝化サイクルが立ち上がると計測できなくなり、再発生も殆どありませんのでここでは割愛します。

② NO2値:亜硝酸値を言い、亜硝酸とは所謂窒素酸化物の1つで、亜硝酸が発生することで魚や生体は呼吸ができなくなり、その値が大きい場合死に至る危険な物質です。
ですがこの過程を経ないと水槽が立ち上がらず、飼育初期で飼育者が心折れる原因でもあります。

③ NO3値:硝酸塩濃度を言い、硝酸塩は短期間ではさほど生体に影響を与えることはありませんが、長期間高濃度の硝酸塩に晒されると突然死の原因になります。

④ 溶存酸素:環境水に溶け込んでいる酸素の量を溶存酸素と呼びます。Do値などとも言います。

⑤ 水温:環境水の温度の事です。魚や生体が気持ちよく過ごせる水温を適水温と言います。

⑥ PH:酸性かアルカリ性かを表すもので、特に海水魚はPHに対して敏感ですのでまめに計測する必要があります。
海水魚飼育の場合適切なPH値は8.2~8.4とされておりこの数値から外れると魚や生体に影響が出易くなります。
また、8.0より低くなれば低PHと呼び8.5より高くなれば高PHと呼びます。

⑦ 塩濃度について:よく塩分濃度と言われる方がいます。塩分濃度と言う言葉は、塩分と濃度は同義語であり共に濃度を指しているそうです。
そのため塩の濃度即ち塩濃度というのが正解だという事で、当ブログでは塩分濃度とは言わず塩濃度として話をしています。
また塩濃度を客観的に判断するために、通常は比重で判断し、1.020~1.025を海水比重と言い1.020より低いものを汽水・1025より高いものを塩水と呼ぶことがあります。